前回、夏休みにやるべき5つの事についてまとめさせていただきました。
多くの方に読んでいただいたようで、ありがたく思っております。
「夏休みにやるべき5つの事」については、実際に中等部に合格した息子の事例から考え、「実際にやっていたこと」「こうしておけば苦労しなかったなと思うこと」を述べさせてもらっています。
慶應に向け頑張っておられるご家庭の助けになれれば、うれしいです。
さて、今回は「夏休みにやるべき5つの事」の中の一つ、「苦手分野を克服する」について、実際に我が家がやったことを踏まえつつ、アドバイスをさせて頂きます。
苦手分野の見つけ方
前回の記事、小6の夏休み…慶應合格のためにやるべき5つのことでも少し触れてますが、一番にやるべきは「模試の成績の見直し」です。
ここまで3~5回程度の模試があったかと思います。
全国模試でも、アタックテストであっても、各分野についてどれだけ得点できているかがきっちり記載されていますよね。
例えば、毎回算数の大問1で半分しか取れていないとなると、まずは計算力不足を疑います。
子供は「わかってたんだけど、ミスしちゃったんだよね」と言うと思いますが、2度3度と得点できないのであれば、「わかっている」のではなく「身についていない」ということです。
食塩の濃度問題などは典型的なパターン問題で、身についていたら間違えようがない問題です。
またこうした問題の場合、躊躇せず「代数」の考え方を教えてくれる塾がいいでしょう。
求めたい数値を「X」として式を立てさえすれば、あとは解くだけになるから間違えようがないんです。
小学生に代数は早いのではないか?という考え方もあります。
また、代数的な考え方を使用する問題はそんなに沢山は出ない、という塾もあります。
しかし、慶應に合格したいなら、合格後もきちんと成績をキープしたいのであれば、早く代数を教えて、算数ではなく「数学的な頭の使い方」をしておくことの方がメリットは大きいと考えます。
実際息子も代数を駆使していましたし、中学や高校で習うような公式を覚えて解くのは結構快感らしく、うれしそうに覚えていましたよ。
「俺、・・・の公式でこの問題解けたよ~」とか友達同士で話してましたし。
少し話がそれましたが、このように模試の成績を分析することで、子供が何を苦手としているのかを洗い出すことが、最初のステップとなるでしょう。
また、もう一つは「子供とよく話し合うこと」です。
全て記述の模試であればいいのですが、マークシート形式も非常に多いです。
また記述式であっても4択などの場合、「カンが当たった」というケースも非常に多いのです。
そのため見かけ上は得点できているけど、実は理解できていないというケースが多々あるのです。
だから、子供とじっくり模試を見ながら話しあい、本当にわかっているかどうかを話し合いましょう。
これが出来ているのと出来ていないのとでは、今後の勉強の効率がかなりかわってきますよ。
苦手分野の勉強方法
子供の苦手分野がわかったら、次はその対策になります。
が、ここで大量のドリルが大量のプリントが出ると、「ええーーそんなにやりたくないよ~~」となってしまいますよね。
そこで、我が家で行った方法はというと、模試と同じ問題を解かせる、です。
「同じ問題を繰り返し解く」
これは特に算数に有効だと思ってますが、模試で間違えてしまった問題が大量にあるはずです。
これを、ひたすら解き直させました。
模試は多くの先生方が、今年の傾向や必要な学力を考慮しつつ作成してますので、良問が非常に多いです。
また、解説も多くのページを割いて丁寧にしてくれてますので、勉強が苦手な親でもわかりやすいです。
この問題を繰り返し繰り返し、何度もやらせることで、子供にパターン認識させるのです。
子供も同じ問題が何度も出てくるので、そのうち絶対に間違えなくなります。
忘却曲線理論もあるので、何日あければいいですか?という質問もあるかと思いますが、我が家ではそんなもの無視してました。
連日解かせてましたね。
そうやって、「出来る」を積み重ねることで、苦手意識をなくしていく。
苦手だった図形問題も、このパターンならもう出来るよ!となるくらいに。
我が家ではこの手法が非常に有効でしたので、苦手克服の方法として、是非試していただきたいと思ってます。
解説を子供にしてもらう
我が家でもうひとつ徹底して行っていたのは、「子供に教えてもらう」です。
実はこの行為が、知識や解法が身に付く一番の方法ではないか、というくらい効果的だったと自負してます。
模試の間違えた問題を繰り返し解かせますが、正解したらそれで終わりにはしませんでした。親に、なぜそうなるのかを説明させていたのです。
子供が先生となって、親にその解法を説明させるんですね。
人に説明するのって、実はきちんと理解してないと伝わらないんですよね。だから、説明させるのってとても勉強になるんです。
なぜその式になるのか?
なぜその値をXにするのか?
それを丁寧に説明できる=理解しているということなんです。
ここまで行けば、問題が多少アレンジされていても、正解にたどり着ける道筋は見つけられるようになります。
もちろん、これを行うためには、親がしっかり子供と一緒に勉強するという姿勢を貫くことが大切です。特にお父さんです。
仕事から帰ってきて、本当なら缶ビールでも開けたいところかもしれませんが、今年に限っては、子供と一緒に勉強に取り組んでみてください。
子供の塾に入ったと思って、子供に教えてもらってください。
さいごに
小学校最後の夏休み、是非一緒に中学受験に取り組むことで、夏のいい思い出にしましょう。
どこにも行けない、というネガティブな発想ではなく、いつも以上に子供と濃密な時間が持てた、という記憶になるように。
中学受験はツラい思い出ではありません。
子供との楽しい思い出の1ページになるかどうかは、親次第です。
そして、来年の春には、三田か、日吉か、湘南台で、笑っていられるようにしましょう。