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スタンフォード大に3人の息子を合格させた50の教育法(アグネス・チャン著)を読んで

 

スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法

 

中学受験でヒーヒー言っていた私にとって、この本を読んだ時はなかなか衝撃的でした。

今ボーダーレス化、グローバル化の大きな流れの中、子供の教育に海外の大学に入学というのもありだな、と。

 

もちろん今の日本は閉鎖的で、海外大学の学位で就職試験を行っても、ややピンとこない人事も多いかと思いますが、私が勤めている会社では既にエントリーシートには大学名は記載しないし、面接官も大学名は聞かないというルールで採用をしています。

 

要は、個人の能力と思考の柔軟性、論理性が大事になってくるのかなと。

 

アグネス・チャンって?

我々40代後半くらいがアグネス・チャンを知っている最後の世代くらいになるのかな?

1970年代、日本の芸能界で活躍した歌手・タレントで、代表曲は「ひなげしの花」ですね。

 

生年月日:1955年8月20日 (58歳)
本名:陳美齡
日本名:金子 陳 美齢(かねこ チャンメイリン)
生まれ: 中華人民共和国 香港
学歴:スタンフォード大学、 トロント大学

 

日本での活動でいうと、1970年代前半、日本デビュー曲「ひなげしの花」が大ヒット。香港から来た妖精というキャッチフレーズがぴったり合う、可愛いルックスと高い歌唱力で大人気になりました。

バラエティー番組でもたびたび登場し、お茶の間(もはや今は言わない単語ですね)のスターに。

1998年、日本ユニセフ協会大使に就任し、広報活動、募金活動などを続けてきました。

 

プライベートでは1986年に元マネージャーと結婚。1989年には自身がスタンフォード大学教育学部博士課程に留学しています。

3.11の東日本大震災では、約1000万円の寄付をしたことでも知られいます。

 

3人の息子の母親で、その教育方法が今一躍注目されています。昨年3月に出版された著書『スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法』(朝日新聞出版)は、日本のみならず、香港でもベストセラーになっています。

 

スタンフォード大学って?

アメリカ・カリフォルニア州にある大学。ARWU世界大学学術ランキング2017では2位につけています。

このランキングでは、東大が24位、京大が35位なので、世界トップレベルの大学であると言えます。

ちなみに、アップルの元CEO、故・スティーブジョブズが行った卒業式のスピーチは世界的な注目を集めましたね。

 

 

スタンフォード大学は1891年創立。すぐれたカリキュラムをあらゆる学問分野で設けている世界的な名門大学で、「シリコンバレー発祥の地」としても有名。

世界中をあっと言わせるようなベンチャービジネスを誕生させてきました。

 

「西のアイビー」という形容を嫌い、伝統的な「大学」の枠を超えた革新的な大学経営を旨とし、財政状況もきわめて良いそうです。

 

校風はカリフォルニアらしく、リラックスしてオープンな感じ。

学生の要望や世界情勢に応じてカリキュラムや学則が変更されるという、柔軟性&受容性を誇っています。

 

工学、生物学、自然科学の分野は特に強く、心理学やコミュニケーションの分野でも全米で最高峰のレベルを誇ります。
美しく広大なキャンパスは、全米最大のロダンの彫刻コレクションを誇り、穏やかな気候は学生たちの課外活動を積極的に促していると言えます。

 

アグネス・チャンの教育法

このスタンフォード大に息子3人を入学させたという、アグネス・チャンの教育法ってどんなんだろう?と思ったのが、この本を購入したきっかけでした。

そして、結構考えさせられました。。。

子育ての基本は、自己肯定感

この本では、アグネス・チャンは「教育ママ」という単語を使い、「教育≠勉強」ということを強調しています。

教育は「セルフエスティーム(自己肯定感)」を高めるところからスタートしている、と言います。

 

実際この自己肯定感というのは重要で、私も社会に出て、優秀な同僚たちの中にあって「自分ってなんでこんなに出来ないんだろう」と悩むことも多いです。もちろん今でも悩んでいます。

ただこれは自分でもわかっているのですが、結構な落とし穴で、この思考になってしまうと、止まってしまうんですよね…。

 

「どうすれば脱却できるか」「じゃあ今なにをすべきか」に行かず、ウジウジしてしまう。これがとにかくNG。自分でも気を付けているのですが…。

 

アグネス・チャンは、この自己肯定感を高めることで、困難に打ち勝つ能力を持った人間を育てる、という意味で「教育ママ」宣言しているのではないかと思います。

 

自己肯定感を育てる=自分の可能性を伸ばせる=前向きに取り組める=学力や成績もアップする、という図式ですね。

 

ゲームや漫画は一切禁止

息子が聞いたら、激怒しそう…

アグネス・チャンは、子供が高校生になるまで、漫画やゲームは一切禁止していたそうです。これは、自分でコントロール出来ない、ということではなく、ゲームに熱中する子供は、脳の発達する部分と発達しない部分が出来、バランスが悪くなるという指摘があるからだそうです。

 

私的には、これはちょっと本気にしていいのかどうか、わかりません。

だって、今でも息子は学校などで、友達が持ってきたスマホを借りてゲームしたりしてます。

中学受験の中で、不得意な社会などは、漫画でざっくり覚えて(=興味を持たせて)、そのあとにしっかり勉強するというスタイルをとってもいました。

 

ただ、実際に息子をスタンフォード大に入れた教育法でもあるので、一定の効果はあるのかもしれません。

ただ、強行すると親子関係にも影響しそうですし、そういう意味でも「柔軟に」取り入れる方がいいのかな?とも思いました。

 

あえて「わかりにくいもの」を与える

ただ、一つ「へぇ」と思ったことがあります。それは「なるべくわかりにくいもの」を読ませていた、という話です。

 

漫画やテレビ、ゲームなどは、「わかりやすい」ことをモットーとしています。アイフォンだって、説明書がなくても直感で使える、という部分が根幹です。そんな中、あえてわかりにくいものを与えるというのはどういうことなのでしょうか?

 

それは「自分で考えさせる」ということ。漫画やテレビなどは、懇切丁寧に説明してくれるので、自分で考えなくてもわかりますし、楽しめます。それを狙った作りなので、当然ですよね。

でも、子供に必要なのは「自分で考える力」。

たとえば「はだしのゲン」で人の体に虫が湧いてしまうという描写は、通常の想像の域をこえています。

その超えているところを、自分の脳をフル活用して補うことで、能力を高めるというのです。

 

小さい子供はわかりにくいことはすぐ飽きてしまいますが、そこをうまく乗り越えられるなら、非常に良い教育方法だと思いました。

 

これから求められる人材像について

アグネス・チャンは「子供の個性を最大限認めよう」という方針だったそうです。

それが結果的にスタンフォード大に入学するというところにつながっただけだ、との話です。

 

息子さんたちが中学受験でやったような、いわゆるガリ勉くんだったら、きっとスタンフォードには合格しなかっただろう、と言っています。(スタンフォード大は、ペーパーテスト1発勝負ではない)

 

ある問題がある、その正解を導かなくてはならないが、解は1つではない。10通り、100通りの正解がある、という思考…それこそが必要なんだと改めて思いました。

 

今、日本の大学改革というのも、まさにこの点にあるのではないでしょうか…

小学校の時もあったし、慶○中等部でも今あるように、ある問題を設定し自分の意見を書かせるという形式の勉強(ディスカッションなども積極的に行っているようです)がとても大事になってくるのだと思いました。