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ミスはある…御三家であっても…

目安時間:約 8分

 

今日、衝撃的なニュースが飛び込んできました。

 

プレジデントオンラインの記事で、今年の2018年の入試でイージーすぎるミスがあった、というものです…

 

あの名門校が!?一体どんなミスをしたのか?

開成、麻布に並ぶ御三家として有名な「武蔵」。

超進学校でもあり、受験者からの人気も非常に高い中学で、不適切な問題が出ました。

武蔵中のHPにも記載されています。

 

私が確認したところ、HP上では「算数」「社会」「国語」の3教科について、「2018年度入試問題「(科目)」の出題に関して」というタイトルでPDFがアップされていました。

 

それぞれ見てみると、「算数」でのミスは「蒸発」の「蒸」の漢字が誤植であったというミス。

これは、読めるレベルのミスであり、受験に影響がないものとしてお詫びだけにとどまっていました。

 

問題は残りの2教科です。

 

「国語」に関しては深刻で、設問では「退路を断つ」という意味について、本文中から13文字で説明されている箇所を抜き出しなさい、というものでした。

 

武蔵中HPの国語の訂正について

 

本来であれば、「■■■■■■■■■■■■■という考えを捨てること」という解答欄になっているはずのものが、■だけになっていた、というミスです。

 

これの何がミスなのか?と思った方は、中学受験を甘く見ていると言えます。

というのも、■に続く文章があるのとないのとでは、問題の性質が全く変わってくるからです。

■に続く文章があれば、■の13文字の意味を「捨てること」と否定するのだな、とわかりますが、■しかないと、その13文字で完結する説明文を探さなくてはならず、正解にたどり着くことは非常に困難になります。

 

本文を見てないので推測するしかないですが、恐らく正解はないのではないでしょうか。

 

また「社会」に関しては、問題文が途中で分断されており、文章の意味が通じないという深刻なものでした。

問題の作成時、「コピー&ペースト」をする箇所を間違えたのではないかと推測されます。

 

武蔵中HPの社会の訂正について

 

「国語」は、上記設問とそれに付随する設問の2つを、全員正解にし、「社会」に関しては3問が全員正解という措置をとったことが発表されていました。

 

深刻なダメージを受ける子供たち

全員正解となったのだからいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、中学受験をした息子の親としてこのミスのニュースに接した時、私は泣きそうになりました。

 

何故なら、真面目で努力家の子供であればあるほど、真正面から問題を解こうとするからです。

 

「問題文が間違いであるはずがない。自分が何か見落としているんだ」と思って必死に解こうとしたのではないでしょうか。

 

特に偏差値的にも合格ライン以上に達していて、絶対合格したいと思っている子ほど、その想いは強かったに違いありません。

 

さらに、得点の傾斜配分としては高い部分でミスが起きていることも深刻だな、と思いました。絶対に落としたくない記述問題でおきたミスだからです。

 

子供たちは合格するために、必死で書く力を鍛えて受験当日を迎えます。

息子は武蔵は受験しませんでしたが、同じく長い記述があるSFC対策では、「絶対に落とせない設問」として記述問題に取り組んでいました。(過去の記事 「4月時点の合不合判定模試の成績(追記)」を参照)

それが、全く無意味になってしまったのです。

 

50分という短い時間で大量の問題を解いていく子供たちにとって、この学校側のミスはあまりに大きい。

ついこだわり過ぎて、本来解けた問題を落としてしまった、ということもあったのかな、と思います。

 

 

受験生の中には小4から頑張って鍛え続けてきた子もいるでしょう。

親と旅行に行きたかったけど、受験があるからといって諦めて勉強し続けてきた子もいるでしょう。それらの頑張り、年月が無になってしまう…。

大人でも厳しいこの事実を、子供たちはどう受け止め、消化していくのかと考えたとき、泣きそうになってしまったのです。

 

合格した子は努力が報われ、あまり気にしないかもしれません。

ですが、不合格になってしまった子はどういう思いでいるのでしょうか…。

 

 

中学受験は全員が志望校に合格するわけではないことは、子供たちも理解しています。

それでも頑張って自分を鍛えることは意味のあることだ、という想いで受験勉強に取り組んでいます。

 

「不合格は自分の努力が若干足りなかったからだ」「今回は縁がなかったけど、次の高校・大学受験ではもっと努力しよう」と思えるから、不合格でも次に進めるのです。

 

それが、「学校側のミス」があったとなったら、「どんなに努力しても、大人の都合で捻じ曲げられちゃうんだ」と思ってしまっても不思議ではありません。それは、本当に不幸なことなのではないでしょうか…

 

中学受験が全てではない、と思うしかない

PRESIDENT ONLINEのニュースによると、今年は武蔵中だけでなく広尾学園の医進・サイエンスコースや立命館中学などでも、全員正解にしなくてはならないレベルのミスがあったそうです。

過去には女子学院や筑波大学駒場中でもミスが指摘されました。

 

今後も中学入試の現場からミスが完全になくなることはないでしょう。

 

 

もちろん学校側もミスがないよう注意をしていくと表明してますし、厳しいチェック体制を作られると思いますが、それでも人はミスをしてしまうんですよね…。

 

「罪を憎んで人を憎まず」なんて言葉もありますが、もし自分の息子が当事者だったらどんな言葉をかけるかな…と考えると、本当に難しい問題だと思います。

 

「問題のミスは、受験者全員に平等に起こった(実際はそうとも言い切れないのですが)。だから、問題のミスで落ちたわけではない。お前が努力し続けてきた時間はお父さんも十分理解しているし、きっと将来の糧になるよ」くらいしか、思いつかないです…。

 

でも、やっぱり中学受験が全てではない、と思うしかないですよね(実際その通りですし)。

 

子供たちはきっと悔しい思いをしたことと思いますし、何とかこれを糧にしていって欲しいと思います。

 

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