1月の前哨戦を、まさかの3戦全勝で終えた息子。
今までずっと模試でも失敗しつづけた息子に「本番じゃなくてよかったね」と言ってはいたものの、「やっぱり無理かな」なんて心の中では思っていました。
しかし息子は家や塾で散々文句を言ったり、嘘をついてサボったりしてはいたものの、中学受験を放り投げるということだけはせず、少しずつ少しずつ勉強を積み重ねてきました。
12月まではそれが全く花開かなかったのですが、受験本番で一気に階段を駆け上がるかのように、レベルを上げていった。
これは本当にビックリしました。嬉しいビックリでした。
それにしても、なぜ息子は最後の最後で一気に学力を伸ばすことが出来たのでしょうか?
改めてそれを考えてみました。
息子は多くの欠点がありますが、感心するくらいの長所が一つだけあります。
それは、「途中であきらめない事」です。
小さいころから色んなことに執着する子でした。
「凝る」というわけではないのですが、一度始めたことは取り上げられることを極端に嫌うのです。
というか、自分からは手放さない子でした。
それが悪い方に出ると、どんなにガラクタでも捨てないとか、習い事が1週間に4つとかになって、クタクタになってしまったりしてました。
頑固で友人とよく意見が合わず喧嘩ばかりして学校に呼び出されたこともあります。
しかし今回の中学受験では、それがいい方向に出たんだと思います。
どうしても慶應に行きたい。
なぜそこまで慶應に入れ込んだのかはわかりませんが、その一念でずっと成績が上がらない中でも頑張り続けてきました。
良い塾の先生にも恵まれ(何度も喧嘩して手に負えない子だと後に笑いながら言われましたが)、毎日塾で夜の10時まで勉強を続けたことが、ついに実を結んだのです。
「中学受験では母親は勉強を教えてはダメ!」でも書きましたが、親はついつい子供の勉強に口を出しがちです。
特に母親は父親よりも子供との繋がりが深い分、サボっていたりすると「勉強しなさい!」と言ってしまいます。
うちは共働きでしたが、私が昼夜関係なく土日も働く職場だったこともあり、家事や育児はほぼ妻が背負ってくれていました。
朝バタバタしながら弁当を作り、夜帰ってきて休む暇もなく晩ご飯を作り、家事を行う。
そこまでしているのに、息子はバラエティなんかを見ながら勉強をサボってばかり…
そりゃ、言いたくもなります。
でも、それで素直に勉強する子なんていませんよね?
母親も疲れ果てるし、子供も居心地の悪い家になってしまいます。
息子が通っていた慶應専門の個人指導塾からは「家では勉強の面倒は一切見ないでください」とはっきり言われていました。
それは子供を思う母親の行動が、中学受験では不幸にしかならないことを分かっていたからなんですね。
我が家でも秋くらいまでは壮絶なバトルが繰り広げられていました。
終電で家に帰ると、妻も息子も泣いている…という場面が何度もありました。
そこで妻と話し合い、勉強に対するサポートは一切しないし口も出さないようにしよう、と決めました。
(と言っても、ついつい言ってしまうのが親心。全くなくなったわけではないですが、かなり減らしました)
代わりに勉強は塾で行う、というルールを作ったのです。
大手塾の自習室では、子供が自発的に勉強するものですが、我が家が行っていた塾では自習室担当の先生がいて指導してくれました。
しかも我が家の近くのその塾の教室に通うのは息子ともう一人だけ。
その為先生を独占し放題…!
その環境を最大限に活かすことにしたのです。
息子は学校から帰ってくると、用意されている夕食の弁当を持って塾へ行き22時まで自習室で勉強を見てもらってから帰ってくる。
するとあとはお風呂くらいなので、そもそも家であまり勉強をすることがない。
だから、あまり喧嘩にならない。
これが息子にはハマりました。
受験生だけど、家でテレビを見てもいいし漫画を読んでもいい。
でもとにかく毎日塾に行き、夜までみっちり勉強する(先生もついているのでサボれない)。
息子が「一度決めたことは投げ出さない」という性格だったことも、この作戦にプラスに働きました。
そうじゃない子なら、塾に行くこと自体をサボったかもしれませんが、それはなかったのです。
自分だけで勉強するのではなく、そばに塾の先生がいてやるべきことを指示してくれた。
そしてそれを続けることが出来た。
それが土壇場で、パズルのピースがはまるように、息子の学力を一気に押し上げる要因になったのではないかと思います。
このブログのタイトル通り、息子は模試(合不合・全国統一模試など)では偏差値が40~50くらいでした。
それは結局12月になるまで続き、首都模試以外で合格率80%という文字は見たことはありません。
でも、塾の指導のもと、我が家ではこの偏差値を出来るだけ無視しました。
今の偏差値が50だから、偏差値60の学校は無理…とは考えなかったのです。
それよりは塾の先生からの報告を信じました。
「偏差値的には届いてませんが、息子さんの得意分野とこの学校の頻出問題は相性がいい。過去問演習を見てもここなら行ける」
「息子さんは解くスピードは速いけど、記述が苦手。だからこの学校は避けた方がいい」
こうした報告をもとに併願プランを練っていったのです。
(もちろん息子が行きたくないという学校は除外しました)
息子も当然成績は見ます。
偏差値が低いと、やっぱりガッカリするしますが、毎回塾からは「偏差値は無視!」と言い続けられていたので、最後の方はあまり気にしないようになっていました。
先生の指導を盲目的に信じた。そして信じた道を歩き続けた。
それが、結果として息子には良かったのだと思います。
1月校を全勝し、ノリノリになっていた息子は、最後の追い込みとばかりに朝10時から夜10時までずっと塾で過ごしました。
それでも2月の本命である慶應湘南藤沢と慶應中等部は、今まで以上に高い目標。
一気に伸びたとはいえ果たして合格するのか…
口では「合格しても合格しなくても俺はいい。でも後悔だけはしないようにな」なんて言いつつも、親としてはここまで頑張ったんだから何とか受かってほしい!奇跡でもいいから!という心境でした。
そして、いよいよ2月の受験へと突入していくことになります・・・
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