みなさんは、何故中学受験で慶應義塾を受けるのでしょうか?
教育理念に共感したから?
先輩が素敵だったから?
もちろん、そうでしょう。しかし、恐らくほぼ全てのご家庭で、こう思っているのではないでしょうか
中学で慶應義塾に入ってしまえば、慶應義塾大学までエスカレーターで行けるから
何とも浅はかです。ですが、真理です。
いくら色々言っても、やはり大学まで受験をしないで行けるというのは、非常に大きいです。もちろん我が家でも、本当の志望動機の中には、「大学に行けるから」という部分は非常に大きかったです。
ですが!!
だからこそ、この部分は面接などで悟られてはいけない部分と言えます。
「そりゃそうですが、慶應じゃなくても附属校はありますよ?」
という部分が非常に問われていると思います。少なくとも、面接時はそれを大きく感じました。
受験を検討しているご家庭では、この「何故慶應なのか?」を練りに練っていただきたいと思います。12月に入ったら、もう願書に記入しなければなりません。その時に慌てることのないよう、じっくり考えてください。
ウチでは、「なぜ慶應なのか?」を考え出したのが遅かったため、とても苦労しました。そこで、皆さんには同じ轍を踏まないよう、私が何を考え、どう構築していったのかをお伝えいたします。参考になると嬉しいです。
何度も言いますが、我が家でも「エスカレーターで大学まで行ける」という浅はかな考えがかなりウエートをしめていました。
でも、ここでちょっと考えてみてください。大学附属の中学校は、慶應以外にもたくさんあります。
ぱっと思いつく限り、MARCHはすべて大学附属中学があります。
何故、そこではなく慶應なのか?早稲田ではなく慶應を受ける理由は何なのか?
このあたりが願書、引いては面接で重要になってくるポイントだと考えました。
そこで、私は慶應に特化する為に、「福沢諭吉」に目を付けました。
福沢諭吉が作った教育機関ですから、その建学の理念は非常に重要です。
仕事の隙間を縫って、以下の本を読むことにしました。
学問のすすめ
現代語訳学問のすすめ (ちくま新書) [ 福沢諭吉 ]
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西洋事情
西洋事情 [ 福沢諭吉 ]
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福翁自伝
福翁自伝 現代語訳 (ちくま新書) [ 福沢諭吉 ]
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特に福翁自伝は面白かったです。もちろん読みやすい現代語訳です(笑)。
ちなみに、息子は息抜きがてら、こちらの漫画を読んでました(笑)。
まんがでわかる福沢諭吉『学問のすすめ』 (Business ComicSeries) [ 齋藤孝(教育学) ]
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出来れば、面接の時に役に立つので、読んでおいた方がいいとは思いますが、最悪読まなくてもそれが原因で不合格になるということはありません(笑)
私は本を読んでいく中で、他の中学との差別化できるキーワードを見つけました。と言っても、基本的なものではありますが。
「実学の精神」
実は福沢諭吉って、勉強に励んだ理由が「お金持ちになりたい」だったんです。下級武士の家柄で、年中お金に困っていたのが、その原点ですね。
学問のすすめでも、「人は生まれながらにして貴賤貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり」とあります。
この学問のすすめは、慶應に在学している中学生はみな暗唱できるほど勉強させられますので、最も重要ポイントと言えます。
だからこそ、勉強をして社会の役に立つ人間になる、という考え方を持つことが大事になってきます。
「独立自尊」
慶應中等部でよく言われる「自ら考え、自ら判断し、その結果に責任を持てる自立した人物たれ」は、まさにこの言葉を言い表していますね。
実際入学して思ったのは、本当に自由です。というか、ある意味各家庭に任されます。ウチはそれを分かったうえで入学させているのでいいのですが、進学校のような手厚い授業や指導をイメージしていると、ビックリされると思います。
このあたり、自分の理想とする将来像があり、自ら学んでいこうとする人間にはピッタリですが、それがないと入学後苦労するのかな、と思いました。
もっと色々あると思いますが、我が家では上記2点を最重要キーワードととらえました。そして上記2点は、やはり他の大学附属中学にはない特徴と思いました。
子供が自分が思い描く未来に向けて漕ぎ出せる、その母体となる学校として慶應義塾が最も適している、という解答にたどり着いたわけです。
そして最も重要なのは、子供も同じ気持ちでいるかどうか?です。ウチでも慶應受験の最初の理由は「受験が1回で済む」でした。息子もそのために勉強を始めました。
しかし、面接がある慶應中学受験では、そこで引っかかってしまいます。小学校6年生のうちに、「なんとなくでいいから、自分がなりたい将来像」「その為に何をしたらいいのか?」といったことを、子供と話し合いましょう。
そうしないと、子供は面接で正直に言ってしまいます(笑)。
勉強の合間、寝る間際、親子の会話が出来る時に「何故慶應を受けるのか?」のマインドセットを是非してみてください。
息子は、塾でも「君は何故慶應を受けたいのか?」は散々聞かれたと言っていました。私も散々聞きました。
そうして、自分なりに慶應に行く意味、というものを考え出していってくれました。最初は「受験が1回で終わるから」と言っていた息子も、12年の経験の中から、行く意味を自分で考えていきました。
これはまさに「独立自尊」の第一歩であったと思っています。
そしてそれがあったから、小6の夏休み以降、怒涛の受験勉強をこなせたのだと思います。何度も喧嘩しましたし、何度も「もう受験なんてやめようか」と言ってしまったことがあります。
しかし、その全てに打ち勝って勉強し続け、合格を勝ち取れたのは、このマインドセットがあったからでしょう。
慶應面接対策のために考えた「何故慶應を受験するのか?」というテーマは、結果として息子の折れそうな心を支え、前に進む推進力となってくれました。実際に面接で役に立ちましたが、それ以前に、そして知らないうちに、息子の心の支えのようなものになっていったのです。
片手間で乗り越えられるようなお子さんも勿論いるでしょう。
しかしそうではない我が息子には、とても重要で、必要なマインドセットだったと思います。
もし同じような境遇のご家庭があったらば、ぜひ一度親子で話し合ってみてはいかがでしょうか?
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