慶應中等部では今年の10月に部長(=校長)が変わりました。
新部長は井上逸兵という方です。
テレビにも時々ご出演されてるので、ご存知の方もいるかと思いますが、改めてご紹介します。
石川県金沢市出身。1985年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業し、その後文学部へ。
1989年に文学部修士課程を修了しておられます。
現在は慶應義塾大学文学部の教授で、専門は社会言語学・英語学。
担当するゼミの卒業生には、日本テレビの水卜麻美アナウンサーがいます。
さらに長年慶應大学の水泳部部長を務められており、水泳部OBにはロンドン五輪銅メダリストの立石諒もいます。
Eテレの「おもてなしの基礎英語」(月~木・22:50-23:00)の講師も務められているので、気になる方は一度見て頂ければと。
まだ中等部部長になられてわずか2ヵ月ですが、先日の保護者会では中等部の先生の教育熱心さを強く訴えておられました。
そんな中等部部長の井上先生はこの慶應中等部をどう捉えているのか、受験生の親にどう説明したいのかが書かれた冊子があります。
本日はそこから、井上先生のお言葉をご紹介したいと思います。
こちらは学校説明会で配られた冊子です。
中等部の事務に行けばもらえるので、私も毎年手に取って、先生方が何を考えておられるのかチェックするようにしています。
展覧会と同日に行われる学校説明会ですので、展覧会のことにも触れられています。
展覧会に行けず、この冊子を手にすることが出来なかった方は、ぜひ井上先生のこのコメントを読んで、慶應中等部を理解するようにしてくださいね。
本校の説明会は、慶應義塾中等部という学校を皆さんによりよく知っていただくために開いています。
入試解説中心の説明会ではありませんので、がっかりされるかもしれませんが、それも中等部の特色のひとつを物語っているとお考えいただければ嬉しく思います。創立以来中等部が掲げてきた理念である「自立した個人を育む、自由な教育」を、その一端でもこの説明会を通して感じて頂ければ幸いです。
創立時から中等部の皆が共有してきた理想は「人間関係が明るい学校を目指そう」というものでした。
教職員同士、生徒同士、教職員と生徒の間に、お互いに自由に意思を伝えあえる人間関係を作り上げようという気持ちを皆が持っている学校です。そのような中等部の「空気」も、限られた時間ではありますが、是非感じ取ってください。
慶應義塾の創立は、幕末の1858年にさかのぼります。当時はまだ中津藩の若い藩士であった福沢諭吉が、江戸築地の藩邸に築いた蘭学塾が発祥です。近代化を迎える激動の時代にあって、西洋諸国と伍するためには、国を支える一人一人の人間が真に独立していかなくてはならないと福沢は考えました。福沢の「独立自尊」の理念は慶應義塾全体の教育の根幹です。
中等部の創立は1947年です。戦争が終わり、新しい自由な時代の幕が開けたころのことです。
中等部には慶應義塾の塾歌に加えて「中等部の歌」があります。折口信夫の作詞による1948年につくられたこの歌には「来たれり今や、自尊の世代」という一節があります。新しい時代の若者たちを「自尊の世代」と謳ってこの中等部はスタートしたのです。
慶應義塾中等部はこの2つの新しい時代の始まりにあって意気揚々と未来を語り、思い、新しい時代の先導者であろうとする志を伝統の礎としています。つねに新しい時代の入り口に立つ気概を持った古い学校なのです。
中等部では「独立自尊」の理念を「自ら考え、自ら判断し、自ら行動して、その結果に責任を持てる自立した人物であれ」と中学生にも分かりやすい言葉で説いてきました。「独立」とは、色々な個性を持った一人一人が個人として尊重されるということでもあります。「自尊」とは、独立した個人が自分を尊重することです。この「独立自尊」が相手にも他人にも存在しているという考えを、しっかりと身に付けて学校生活を送り、その後の人生も歩んでほしいと私たちは願っています。
中等部では「学業」「校友会活動(クラブ活動)」「学校行事」を、教育の3本の柱としています。学業において知識と学問の基礎を学び、校友会や行事を通して様々な体験を積み重ねて、自分の可能性を発見してほしいと考えています。受験を目標にする学校ではありませんので、勉強で他と競うことを主な目的としていません。自分を高め、新しい時代を生きるために、幅広い「教養」を身に付けてほしいと思います。
中等部は自由で楽しい学校です。ただし「自由」とは勝手気ままに、他人や世の中のことはお構いなしにふるまう事ではありません。そんな「自由」は本当は楽しいものではありません。「独立自尊」に根ざした、本当の意味で楽しい「自由」な学校、笑顔と笑い声の絶えない学校であり続けたいと願います。本日開催している「展覧会」でも、中等部生たちからそんな学校の様子を垣間見ることができるでしょう。ぜひ、お楽しみください。
実際に中等部に行っている息子を見ると、井上先生のおっしゃる言葉が真実であると実感できます。
まだまだ未熟な中学生に、ここまで「自由」を与え、「自由」を考えさせる学校は他にはないと思います。
しかしそれは他の管理する学校に比べて、とてもハードルの高い教育だとも感じています。
生徒はウチの息子も含め、この「自由」について試行錯誤しています。
もちろん間違うことも多いです。「それは自由ではない!」と叱ったことも数限りありません。
でもそうやって皆で失敗を繰り返し、学び、成長していった先に、成熟した大人になった子供たちの姿があるのだと思っています。
現在中学受験をはじめた小4・小5のお子さんは、まだまだ志望校がはっきりしてないかと思います。
であれば、是非慶應中等部を考えてみて下さい。
本当に素晴らしい学校だと思います。
早めに慶應中等部に触れれば、慶應中等部に行きたい!と思えるようになると思います。
このブログでも随時慶應の情報を発信していきますので、皆さんの中学受験の支えになれればと思います。
また現在小6の子はいよいよあと1ヵ月ほどで受験本番を迎えます。
スピード勝負・高得点勝負の受験となるでしょう。
こちらもあとわずかではありますが、このブログで役立つ情報を発信していきますので、ご参考にして頂ければと思います。
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